本書『タフティ入門』は、「人生の台本」から自由になり、現実を思い通りに創造する方法について、哲学から実践までを詳細に解説しています。
1. 世界の仕組み:現実は映画の「駒」
タフティの教えによれば、この世界は、夢であろうと現実であろうと、私たちは常に「眠っている」状態にあり、まるで映画のコマが流れているように生きています。
私たちは、上映されている「人生という映画」を、少し俯瞰した立場から干渉している存在であり、夢の中でも現実の世界でも、この映画の動き(駒の動き)を自由にコントロールする能力を持っています。
しかし、現在ほとんどの人がその能力を使えていないのは、意識が「現在の駒」にとどまってしまっているからです。
2. 無意識からの覚醒:「気づきの中心点」へ
私たちが自由に現実をコントロールできないのは、意識が常に「内部スクリーン」か「外部スクリーン」のどちらかに向かっているためです。
- 内部スクリーン: 物思いにふけっている状態。周囲で何が起きても、意識的ではなく反射で自動操縦のように動いてしまいます。
- 外部スクリーン: 外部の何かに意識を向けている状態。自分のことを忘れ、考えずに動いてしまいます。
これらどちらかのスクリーンに意識が向いている時、私たちは無意識で生きています。
この無意識の眠りから覚醒し、意識を取り戻すために、意識を「内外どちらのスクリーンからも離れた真ん中の点」である気づきの中心点に戻す必要があります。
気づきの中心点に意識がある状態は、周囲で何が起きているか、自分が何をしているかを把握している状態、すなわちメタ認知をしている状態です。
3. 意識覚醒の実践と注意点
気づきの中心点に意識がある状態でいることは、明晰夢のように、この世界という映画が意識的なものになっている状態に似ています。この状態では、自分だけでなく周囲の環境も自由にコントロールできるとされます。
この効果を最大限に得るためには、誰も知らない場所(商業施設など)を、意識が目覚めた状態で歩いてみることが推奨されます。
目覚めた状態での振る舞い
- 周囲への配慮: 周りの人々は、まだ意識が目覚めておらず、台本通りの「登場人物」の役を全うしています。あなたは彼らを見下したり、偉そうに振る舞ったりしてはいけません。優しく接しなければ、現実から罰を受けることになるとされています。
- 台本への対応: あなた自身も外部からの台本に指示されて生きている状態ですが、意識をコントロールできれば、台本はあなたへの支配力を失います。
- しかし、安易に台本に逆らうと望んでいない事態を引き起こすため、日々の生活(仕事や学校など)においては、自分の役を全うしている「ふり」をすることが重要です。これが、新しいレベルの自己管理であり、現実管理となります。
4. 覚醒のトリガー(きっかけ)
常に気づきの中心点を意識し続ける必要はありません。代わりに、以下のトリガー(きっかけ)を利用して目覚める習慣をつけます。
- 外部トリガー: 自分の身近で何か出来事が起きた時(頼み事をされた時、物音や動きがあった時など)、コントロールを失わず、意識を中心点に保ちます。
- 内部トリガー: 何かをしようと思った時、行動を起こす直前に意識を中心点に持って行きます。
この二つのトリガーを使って何度も目覚めることを習慣化することで、日々の生活、ひいては人生を自由にコントロールできるようになります。
5. 現実の性質と未来の構築
現実は、過去でも未来でもなく、一瞬だけ存在する「今のこの時点」です。
現実は光で照らされた「たった1コマ」であり、その一瞬だけが実在しています。それ以外の過去や未来、起こるかもしれないことは全てバーチャルな情報であり、映画のフィルムのように「永遠の保管庫」に保存されています。
私たちは、この「たった一コマ」を生きることしかできません。現実を構築するとは、この映画の駒がどのような方向で進むか、つまり「どの映画を流すか」を決めることです。
私たちは、意識をコントロールする能力を失っているため、現在の駒(直近の過去の駒)に囚われ、それを繰り返しているだけで、未来をコントロールできていません。しかし、本来、あなたには未来を構築するチャンス、上映する映画を選択するチャンスがあります。
具体的な実践方法については、次回以降で解説されます。